ハッピーハロウィン! 今夜も浮かれる隙もなくギリギリを生きる夢幻です。
ちびっこよ! トリックオアトリートしに来てくれ!
このページでは、不朽の名作「ゴーストワールド」(2001)の見どころを詳しく紹介していきます。
この記事の要約
・ゴーストワールド(2001)の作品紹介
・見どころ①:1990年代アメリカ文化を感じられる部屋作り
・見どころ②:大人になっていく親友
・見どころ③:廃線になったはずのバス停
・夢幻の感想:感受性は生きづらさを生む
・まとめ:「ゴーストワールド」は不朽の青春映画!
すぐに本題に入りたい方は、下記項目から気になるものをクリック(タップ)してください。
ゴーストワールド(2001)について
作品概要
上映日 | 2001年07月28日 |
制作国 | アメリカ合衆国 |
上映時間 | 111分 |
配給 | アスミック・エース |
監督 | テリー・ツワイゴフ |
脚本 | ダニエル・クロウズ、テリー・ツワイゴフ |
出演 | ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン他 |
あらすじ
1990年代アメリカ、都市郊外の名もなき町。高校の卒業式を迎えた、幼なじみで親友のイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)。バカな同級生たちともいよいよお別れ。
しかし、高校を卒業したからといって、退屈な街で心が満たされることはないし、気持ちわるい大人たちの仲間入りもお断り。二人は進路も決めず、あてもなく町をぶらついては面白いことを探して過ごしている。
ある日、お気に入りの50年代風ダイナーに入り浸っていた二人は、新聞の出会い系広告を見つける。
いたずらで広告主を呼び出してみると、現れたのはいかにもモテなさそうなダサい中年男・シーモア(スティーブ・ブシェミ)。しばらく待ちぼうけを食らっていた彼は、やがて自分が騙されたことに気づくと怒って店を出て行ってしまうが、すかさず二人は男を尾行して自宅を突き止める。
後日、ふたたび男の家を訪れると、ガレージセールを行っているシーモアの姿があった。彼はブルース・レコードのコレクターで、ブルースについて喋り出すと止まらなくなるのだった。孤独でも自分の世界に生きるシーモアに関心を持ったイーニドは、彼の”理解者”として交流を深め、奇妙な友情関係を築いていく。一方、アパートを借りるために地元のコーヒーショップに就職し、社会と折り合いをつけて自立しようとするレベッカは仕事中心の生活になっていく。同居を計画していた二人の間には次第に距離が生まれ……。
公式サイトより
見どころ①:1990年代アメリカ文化を感じられる部屋作り
「ゴーストワールド」では、登場人物たちの部屋がフォーカスされます。
大好きなのはイーニドの部屋!
アンティーク調ながら、思春期の好奇心がおもちゃ箱のように詰まった可愛らしいお部屋です。
そして、こだわりが詰まりつつも整然としているシーモアの部屋。
大人の成熟さを感じさせながらも、どこか物寂しい空気感が漂っています。
この映画では、レベッカの部屋が出てくることはないのですが、レベッカはイーニドと住む家をどうやってレイアウトしたかったんでしょうか?
部屋を通じて登場人物たちの個性や性格を描いている中、レベッカのそれを描かないのは、レベッカという人物をある意味で、普遍的な存在にするためなのかなと感じました。
次の項目で詳しく触れていきます。
見どころ②:大人になっていく親友
イーニドとレベッカは唯一無二の大親友。
いわゆる”悪趣味”を共有できるマブダチで、会話のテンポや温度感、ノリもピッタリです。
しかし、高校卒業を機に就職して社会に迎合していくレベッカにイーニドはついていけず、二人の距離は徐々に離れていきます。
レベッカはお互いに就職し、二人で暮らすことを夢見ますが、イーニドは現代で言う”社会不適合”な捻くれ者の部分があり、中々就職ができません。
次第に就職しないことを責められるようになったイーニドは、レベッカの代わりに「オタク」として日陰で生きるシーモアに入れ込んでいきます。
このことで、ますます二人の距離は開いていきます。
夢幻にも小学校一年生からの仲の親友がいますが、先日再会した時、仕事に夢中そうな彼女を見て、何だかとても寂しい気持ちになりました。。。
夢幻はイーニド寄りだもんな
う・・・・・・
ラストの方のシーン、ネタバレを踏まないようにしますが、かなり大人びたレベッカが登場し、まだまだ高校生のようなイーニドとの対比にかなり食らうものがありました。
一般的な「ちゃんとした大人になる」と言うのはある程度、”無個性化する”と言うこと。
シーモアのように個性を捨てずに大人になると、どうしても「変人」と言うようなレッテルがついて回り、とても鋭いテーマを描き切っていると感じました。
見どころ③:廃線になったはずのバス停
作中、廃線になったはずのバスを待つおじいちゃんが登場し、イーニドとレベッカはそれを冷やかします。
その時のおじいさんのセリフがこちらです。
You don’t know what you’re taking about.(何もわかってない)
この後、このバス停やおじいさんは物語のかなり重要な伏線となるのですが。。。
これについて触れるのはここまで!
詳しくは、ぜひ実際にご覧いただき、顛末を目の当たりにしてみてください!
夢幻の感想:感受性は生きづらさを生む
私も完全にイーニド側の人間です。
こだわりも強ければ、いまだに社会に迎合できてない。無理やり社会人をやっているので、ギリギリで生きるZ世代サバイバーを名乗っています。
イーニドは自分の好き嫌いがはっきり分かっている、かなり素直な性格です。「スイートハート」と呼んでくれる優しい父親のもとで育ったことを考えても、感受性高く、まっすぐに進んできたのでしょう。
しかし、それが許されるのは高校まで。
大学からは徐々に社会への迎合が始まり、社会人では社会に馴染まないとお話にもならないと扱われます。
感受性の高さは生きづらさと直結する。
私が常日頃思っていることが、この映画に詰まっていました。そして、自分らしく生きていくための模索は続いていく。だからこのサイトをやっています。
これからも私なりの模索を発信できればと思っております。
夢幻をなにとぞ
まとめ:「ゴーストワールド」は不朽の青春映画!
2024年10月現在、残念ながら配信サービスではレンタルや購入ができない状態となっておりますが、DVD、BDの購入が可能となっています。
「ゴーストワールド」は思春期の気持ちを呼び戻す不朽の青春映画です。
あの頃の部屋や、街、友達、好きだった人を思い浮かべながら、見てみてはいかがでしょうか?