皆さまこんにちは! 今日も東京でギリギリを生きる夢幻です。
このページでは映画「フランシス・ハ」(2012)の魅力について、詳しく紹介しています。
この記事の要約
・フランシス・ハ(2012)の作品紹介
・見どころ①:痛々しくも愛おしいヒロイン像
・見どころ②:フランシスとソフィーの絆
・見どころ③:諦めなければ続いていく”夢”
・夢幻の感想:お守りのような作品
・まとめ:「フランシス・ハ」は全編白黒で作られた意欲作!
すぐに本題に入りたい方は、下記項目から気になるものをクリック(タップ)してください。
フランシス・ハ(2012)について
作品概要
あらすじ
モダンダンサーを目指し、ニューヨーク、ブルックリンで親友ソフィとルームシェアをしながら楽しい日々を送っていた27歳のフランシス。しかし恋人に振られ、ソフィとの同居生活も解消になってしまったことから、居場所を求めて町を転々とするはめになる。周りの友人たちは次々と身を固めていき、焦りも感じたフランシスは、自分の人生を見つめ直していく。
映画.com より
見どころ①:痛々しくも愛おしいヒロイン像
ヒロインのフランシスはモダンダンサーという夢を追って、毎日を生きていますが、ある日、ルームメイトのソフィが結婚することになり、同居生活の解消を言い渡されます。
突然、家なしとなったフランシス。実はソフィに同居生活の解消を持ちかけられる前に、恋人と別れていたため、かなりの窮地に追い込まれます。
しかも、恋人と別れた理由は同棲を持ちかけられたものの、ソフィとの暮らしを捨てたくないがため、断ってしまったのがきっかけ。なんと切ない・・・。
そこでフランシスは、知り合った男性二人組の家に居候したり、突然パリに行ったりとはちゃめちゃな居住生活をスタートさせます。
フランシスは思いつきの行動とその日暮らしを続け、うまくいかないことばかりですが、常に人生を前向きに捉え、楽しんでいます。
時にソフィに当たったりもするところが人間らしく、痛々しくも愛おしいヒロイン像をグレタ・ガーウィグが見事に演じ切っています。
中でもデヴィット・ボウイの「Modern Love」がかかる中、NYの街を疾走するシーンは、カラックス監督の「汚れた血」に出てくるシーンのオマージュとしても有名で、夢幻も大好きなシーンです。
見どころ②:フランシスとソフィの絆
個人的な話をして申し訳ないのですが、私、この二人の関係性が大好きなんです。
「気心が知れた友達」というのはこの二人のためにあるような、とても素敵な関係のように感じます。
ソフィの結婚をきっかけに二人は離れることになりますが、そしてそれをフランシスが「捨てられた」ととても悲しみますが、そんなことで終わるような友情ではありません。
詳しくはぜひ本編を見ていただきたいのですが、フランシスがソフィのことを語る、大好きなセリフを引用します。
“It’s that thing when you’re with someone, and you love them and they know it, and they love you and you know it… but it’s a party… and you’re both talking to other people, and you’re laughing and shining… and you look across the room and catch each other’s eyes… but – but not because you’re possessive, or it’s precisely sexual… but because… that is your person in this life. And it’s funny and sad, but only because this life will end, and it’s this secret world that exists right there in public, unnoticed, that no one else knows about. It’s sort of like how they say that other dimensions exist all around us, but we don’t have the ability to perceive them. That’s – That’s what I want out of a relationship. Or just life, I guess.”
引用元:goodreads.com
夢幻の無い英語力で意訳も交えつつなんとか訳してみるとこうなります。
あなたが誰かといつも一緒にいたとします。あなたはその誰かを愛しているし、誰かもあなたを愛していると、あなたは分かっています。
例えば、そこはパーティです。あなたたちは二人とも別の誰かと喋っている。
そしてあなたは笑っているし、輝いている。
不意にあなたが部屋を見渡して、二人はお互いに目が合う。
でもそれはあなたがその人に独占欲があるからとか、性的な欲求からでもなくて、その人が人生におけるあなたの大事な人だから。
おかしくも悲しくもこの人生には終わりが来るからであり、この秘密の世界が公の場で誰にも気づかれずに存在し、他の誰も知ることはないからです。
それはある種、他の次元が周りに存在するものの、それを認識する能力がないと言っているのとも似ていますね。
それが私が人間関係から離れて望むものです。あるいはただの人生、かな?
・・・英語、精進します。
パリで出会った人々にフランシスがこの話をするのですが、この話はラストシーンまで効いてきます。ぜひ、本編で堪能してください!
見どころ③:諦めなければ続いていく”夢”
夢幻にも莫大な夢があり、いち夢追い人として生きています。
そしてそろそろフランシスと同じ27歳になります。時の流れにびっくり・・・。
フランシスは公演でなかなか役を貰えずに燻っていましたが、終盤ではそんな自分を変えるためにある行動に出ます。
夢が叶うためには”運”とか”偶然”もかなり必要になるとは思うのですが、とはいえそればかりを待っていても、燻り燻り腐っていってしまう。
そんな時に一歩踏み出し、何かを変える勇気を持てたら?
そう思うきっかけを、この作品はくれました。今では大切な指標としています。
夢幻の感想:お守りのような作品
どうしても自分とフランシスを重ねてしまうところがあり・・・笑
フランシスのように自由奔放でいつも明るくいたいとは思いつつも、難しい私は立ち止まったり、立ちゆかなくなった時の「お守り映画」として、いつもそばに置いています。
また、フランシスの語るソフィとの関係性も、まさしく私が人生で欲しいたった一つの関係性であるな、と思うところがあり・・・とにかくシンパシーを感じているこの作品。
10記事目の投稿として、丁寧にレビューしてみました!
ぜひ「フランシス・ハ」をみて見ていただけると幸いです。
希望が持てるすてきな作品だよ
まとめ:「フランシス・ハ」は全編白黒で作られた意欲作!
2024年12月現在、残念ながら配信サービスではレンタルや購入ができない状態となっておりますが、DVD、BDの購入が可能となっています。
2012年公開当初、実験的であった全編白黒製作! カラーが当たり前となった現代では、一つの作品へのスパイス、芸術として白黒映画という要素が評価される時代になりました。
ノア・バームバック監督とグレタ・ガーウィグが作った意欲作! ぜひ見てみてはいかがでしょうか?
ラストシーンにはタイトルの意味も!
ねこちゃんも好きな映画ベスト10には入るよ